2017年1月19日木曜日

伊豆の縄文遺跡


 正月明け、自宅から車で30分の縄文遺跡に行ってきた。 伊豆市にある上白岩遺跡 、縄文後期にあたる、約3000~4000年前のものだ。 (http://www.city.izu.shizuoka.jp/form1.php?pid=1116)

 大見川のほとり、富士山が拝める温暖な丘陵にあり、さほど広くはないが、往時の人たちの暮らしを偲ぶにはじゅうぶんの遺跡だ。残っているのは竪穴住居跡と環状列石遺構。住居跡には炉の跡も見られ、傍らには実物大の住居のレプリカも建てられている。


この遺跡でとくに貴重だとされているのは環状列石で、中央に大きな石を立て、周辺は人の頭ほどの大きさの列石が並んでいる。列石に使われているのは川原から運んできた自然石だけではなく、石皿、石棒などの石器や、自然石の一端を亀頭状に磨いたものも含まれている。
  ここでシャーマンを中心にして天候の安定、獲物の増大、病気やけがの快癒、子孫の繁栄などを祈る祭祀を行なっていたのだろう。

 区域内からは5個の無傷の埋め甕(かめ)が見つかっている。口径50センチ前後の大きなもので、そのうち3個は口を上に置き、底が抜かれている。人骨粉が残っているので、子どもを埋葬したことがわかる。大人は穴を掘って死者を埋葬するが、なぜか頭部に甕をかぶせてあったという。その理由はわからない。

 土器類、石器類、石斧類、首飾りや耳飾りなどの装飾品、木の実を割ったりすり潰したりする磨石なども大量に出土し、それらは遺跡のすぐそばにある伊豆市資料館に展示されている。

 伊豆半島には縄文遺跡が無数にあり、いまでも住宅やビルを建てるときに土器の破片が出てくることが多いという。上白岩遺跡のすぐそばにも約12000年前の甲之背遺跡があるらしい。
  平均身長がいまの中学生ぐらいだった短躯の縄文人が、ライブラリーがあるこの場所にも暮らしていた可能性も高い。なぜなら富士山がよく見えて、松川も遠くない温暖地だからだ。


ライブラリーには縄文人を含む古代人に関する本がたくさんある。そんな本を読みながら、10000年以上の持続を可能にした先祖たちの生きざまに想いを馳せていただきたい。

Keiichi Ueno


<参考>

 タイトルに「縄文」を含むライブラリー蔵書検索(http://books.libraryhr.org/)の結果

 タイトル     著者       蔵書番号
 
 縄文文明の発見―驚異の三内丸山遺跡 梅原猛 102613
 縄文宗教の謎 (古代学ミニエンサイクロペディア) 吉田敦彦 102652
 縄文の記憶 室井光広 102655
 日本超古代文明のすべて―「大いなるヤマトの縄文の遺産」を探究する!  佐治芳彦 102656
 古代史大推理 縄文都市国家の謎―驚異の「三内丸山遺跡」全解読 井沢元彦 102657
 縄文の生活誌 (日本の歴史) 岡村道雄 102818
 縄文の生活誌 (日本の歴史) 岡村道雄 103244
 縄文人と縄文文明 梅原猛 103341
 日本神道の謎―今こそ縄文時代の多神教原理を見直せ (ラクダブックス) 佐治芳彦 109581
 坂本政道 伊勢神宮に秘められた謎―よみがえる縄文の男神と女神 坂本政道 111397
 縄文の地霊―死と再生の時空 西宮紘 113136
 私の日本古代史(上): 天皇とは何ものか――縄文から倭の五王まで 上田正昭 114312



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