2013年8月3日土曜日

書棚と倉庫が満杯のため、本の寄贈を一時停止します

 7月27日、当ライブラリーは予定どおり無事に開館した。式典はサザンクロスリゾートの北村太一社長、佃伊東市長、帯津良一当館名誉会長の挨拶と型どおりに進み、ボイスヒーラーの常見幸代さんによる「癒しの歌声」の披露で幕を閉じた。


 開館前の1週間は疾風怒濤の日々だった。倉庫に天井まで積み上げた段ボール箱の山を少しずつとり崩し、台車に乗せて書棚の前まで運び、仕分けをして書棚に収める棚差しの作業が朝から晩までつづいた。ブックピープルの皆さん(本好きのボランティアたち)が文字どおり精根尽き果てるまで働いてくれたおかげで、ピカデリー広場のがらんとした空間に、開館前夜にはなんとかライブラリーらしい風情をかもしだすことができた。

 今年2月からこのホームページをつうじて皆さんに寄贈をお願いしてきたが、短期間にこれほど大量の、しかも貴重な本の数々が集まるとは、正直、予想していなかった。本の寄贈は開館当日も、その翌日もつづいていた。寄贈された本はすでに書棚の収容量をはるかにオーバーし、倉庫にはまた段ボールの山ができはじめている。読書家たちのこの熱い善意はいつまでつづくのだろうか。われわれブックピープルは嬉しい悲鳴をこえて、空恐ろしいような気持ちにかられはじめた。                                          

 寄贈のお願いはひとまず取り下げて、このへんで着払いによる本の受け容れを打ち止めにしなければならない。倉庫の収納量にも限界があり、残念ながらこれ以上の寄贈本を保管しておく場所がないのだ。寄贈を申し出てくださる読書家たちの思いを無にするのはまことに無念だが、つぎの手を考えつくまで、しばらくお待ちいただきたい。

 「つぎの手」の萌芽はすでに生まれている。開館式に寄贈者でもある辻信一(文化人類学者・環境活動家)さんがおみえになっていた。辻さんは「このモデルは使える。このモデルを使えば、全国各地でそれぞれのテーマに特化した〈寄贈による私設図書館〉ができるはずだ。ぼくも懇意にしているお寺に頼んで〈エコロジーに特化したライブラリー〉をつくってみたい」と語っていたからだ。そういえばぼく自身も、開館式でおなじ趣旨のビジョンについてお話していた。そのあたりに将来の可能性を感じている。

 というわけで、多くの寄贈者に深謝するとともに、着払いによる寄贈受付は本日をもって一時停止させていただくことを、あらためてお知らせする次第である。